古布・骨董コラム
2020.02.19
古布・骨董コラム
着物・古布

【古布・藍染を売りたい方必見】正しい藍染の買取・処分方法

 

藍染は藍を染料とした染色品です。

東南アジアや中央アメリカ、中央アフリカではマメ科の藍が、中国や日本はタデ科の藍が用いられ世界中で愛されている染織品であり、日本人にとっても大変馴染みのある布帛です。

 

古布を用いてリメイクされる方にとって藍染や型染めは欠かすことのできない素材であり、また時代のある藍染や型染めは数寄者に重用され茶道具を包む仕覆などに転用されました。

しかしそんな藍染も、あまり古布にご興味のない方にとっては価値のわからない古い布にしか見えないかもしれません。

 

そこで今回は古布の中でも藍染の処分についてご案内したいと思います。

古布を売りたい方、特に藍染を処分したい方の参考になれば幸いです。 

 

藍染とは

 

日本の藍染の歴史は西日本が中心です。

藍染の原料・藍の材料はタデ藍ですが四国は徳島藩が藍の生産を庇護し、結果日本全土に阿波藍の名を知らしめるに至ります。畿内では木綿、阿波で藍、そして伊勢の型紙で染めるといった一連の経済圏が発達しており江戸時代の木綿文化は西日本が中心だったことがわかります。

 

現在でも藍染の産地として知られている徳島県美馬市は、吉野川から流れる清らかな水が藍染に適していたことから江戸時代当時も藍の一大産地として栄えました。

 

伝統的藍染の手法では本藍染と呼ばれる手法が江戸時代から明治にかけて行われておりました。

まず原料のすくもを発酵させ天然藍の色を出します。それは天然藍灰汁発酵建とも呼ばれている方法で化学的な薬品・染料を用いず、天然原料による草木染の一種で重層的な深みのある藍染を生み出します。

 

深みのある藍は何度も染めて空気に触れることで段々と染められていきます。藍に染められた布は堅牢になり耐久性が増します。江戸時代から明治にかけ藍染木綿は日本人の生活には欠かせない色と布地となります。あらゆるところで藍染は用いられるようになり、明治の文明開化後日本に訪れた英国人化学者のロバート・ウィリアム・ アトキンソンがその光景を称した言葉こそ今私たちが度々耳にする「ジャパンブルー」という言葉です。

 

藍染にはよく木綿が用いられますが日本における木綿は三重県松坂や静岡県など比較的暖かいところで生産され、そこから綿花の栽培方法と藍染木綿作りは日本中に伝えられます。

しかし東北地方の多くはその気候的寒さから綿花が育たず、綿花栽培の北限は福島県会津若松市とされました。会津若松市で作られる会津木綿が有名です。生産できるとはいえ、絶対的な数は圧倒的に少なく東北地方にとって身近な布は麻布でした。そこで東北地方では麻布を砧で叩き、布を柔らかくし藍染に染めました。

 

 

中国の藍染・印花布

 

印花布とは華布とも呼ばれている、中国で作られる主に型染めの染織品を指しますが、その中でも藍染の印花布を藍印花布といいます。

藍印花布は中国の伝統的工芸として起源は秦・漢の時代まで遡り、唐・宋の時代に盛隆を極めます。

特に南宋時代、都が臨安(現在の杭州)に遷都されると多くの職人が揚子江の中下流域に集まり中国の南北文化を融合した印花布を生み出し大きく発展しました。

 

藍印花布で代表的な技法が蝋染と絞り染めです。

藍印花布の文様は日本の藍染・型染めとは異なり、異国情緒に溢れているのが特徴です。その中でも多いのが動植物と花鳥を組み合わせた文様ではないでしょうか。こういった図案はすべて民間伝承によるものになります。

 

日本の藍染の型染めとは違った趣向を楽しまれ、古布や藍染を用いたリメイク服などに流用される方も少なくありません。 

 

 

 

襤褸(ボロ・BORO・らんる)  

 

襤褸とは日本において藍染などの木綿が貴重だった時代から引き継がれている木綿布です。主に東北地方の農村地域や山間部では木綿の藍染に麻糸で刺し子にし補強したり、また破れた箇所はハギレを継ぎ縫いしたりして大切に使い続けられました。それは野良着や作業着だったり布団布だったりコタツ布団だったりと様々ですがひとつだけ言えるのはいずれも生活に密着し生み出された作為のない民芸に他なりません。

まるで藍染のミルフィーユの様になった木綿の布は現在では世界的なアート作品・芸術品として認められて、高い評価を受けております。

 

また服飾デザインの観点からも襤褸は貴重な素材として、服飾デザイナーから強いニーズがあり古布買取の相場としては高額査定になるケースが見られます。モザイクのように様々な藍染が重なり合い、枯れた藍色には侘び寂びがございます。

 

この侘び寂びが同じく藍染のデニム文化を持つアメリカです。織り方こそジーンズとは異なりますが、ジーンズも元々がゴールドラッシュ時に生まれた堅牢な作業着です。日常の中で生まれた同じ藍染として通ずる心があり、アメリカの人々の心に響いたのではないでしょうか。

 

 

 

 

藍染の高額査定

 

最も高額になりやすい藍染は江戸時代に染織されたものになります。

綿花の質と希少性、また手紡ぎ・手織りという手工業性、そして使用された自然染料の質は近代のそれとは異なる風合いがあります。一言でいえば「糸味」が異なるとなるのでしょうが差を見極めるのはなかなか難しいかもしれません。

 

古布とはいわゆる布の骨董品・美術工芸品となりますが、古陶磁や書画と異なるのは「贋物の少なさ」ではないでしょうか。

時代の判断できる古布・着物専門店であればきちんとした鑑定と査定が可能です。

古布の高額買取はまさしく「古布買取業者の鑑定力」が最も重要な要素となります。

 

それは藍染も同様です。

手紡ぎ・手織りと機械織りは全く異なります。染料も時代が若くなりますと化学染料が用いられるようになります。

明治時代当時は化学染料のビビットさが新鮮で人気を博しましたが、現在ではもちろん自然染料の方が希少性も高く藍染の高額査定となることが少なくありません。

 

藍染は日常使いされる布ということで保存状態、コンディションが落ちるものもあるのですが、それが逆に風味として好まれる時もある逆説的な布でもありますので単に「古い布」だから「ボロい布」だからという見た目からの判断で手放さないことをお勧め致します。

 

 

 

「正しい藍染の買取・処分方法」まとめ

 

藍染はジャパンブルーと呼ばれる様に、私たち日本人にとって身近な染織品です。

時代により木綿の質や生産量、織り方や染め方、染料が異なります。また藍染は日本のみならず世界各地で生産され、中国の藍印花布やジーンズなどがあり古布リメイクだけでなくファッション界・デザインの世界でも重要視されているテキスタイルのひとつと言っても過言ではないでしょう。

 

藍染の木綿は日常使いされる布ということで保存状態、コンディションの悪いものもあります。

しかしそれかかえってよい味わいと評価され、襤褸は世界中のファッションデザイナーから認められております。

 

ただし、古布にあまり馴染みのない方にとってどの藍染が価値があるのかを知るにはなかなか難しいかもしれません。

古布は布の骨董品・美術品になりますので専門的な知識と鑑定力が必要とされます。

藍染などの古布は贋物、つまり偽物の少ない骨董品になります。それ故に高い鑑定力が必要とされるのです。

 

弊社・呂芸はは杉並で35年以上古布とお着物を中心に歩んで参りました。 

大手リサイクル店や大型着物買取店では網羅できない古布の知識で弊社が劣ることはありません。

もしお手元に売却を検討されている古布・藍染がございましたら弊社に先ずはお声かえいただければと存じます。 

価値のわからない藍染がございましたらお気軽にご相談下さいませ。呂芸ではLINEなどweb査定も無料で承っておりますので是非ご活用くださいませ。
お客様からのお問い合わせ、ご相談を心よりお待ち申し上げております。

 

 

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東京美術倶楽部 桃李会
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丹下 健(Tange Ken)

丹下 健(Tange Ken)

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