お知らせ, 古布・骨董コラム
2020.04.24
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着物・古布

【襤褸の処分】襤褸-BOROの魅力【襤褸(らんる)買取】

 

襤褸とは何でしょうか。広辞苑によりますと

 


襤褸

使い古しの布。ぼろきれ。

②着古して破れた衣服。また、つぎだらけの衣服。

③隠していた都合の悪い点。また、失敗。

破れたり、こわれたりしているもの。また、役に立たなくなったもの。


 

とあります。

古布における襤褸も「②着古して破れた衣服。また、つぎだらけの衣服」に該当するのですが、そんな襤褸が近年アート・テキスタイルデザインの分野で高く評価され、国内外問わずファッション関係のバイヤーや染織美術品・現代アートのコレクターによって高額で取引されております。 

 

襤褸は木綿が貴重だった東北地方を中心に使われてきた継ぎ接ぎと刺子で重ねられたボロい着物です。

野良着から肌着、夜具(寝具)、生活に密着したもの全てを擦り切れるまで使い、空いた穴を継ぎ接ぎしまた使う、そしてまた開いた穴をふさぐ、そうやって何層にも重なり合った布が無作為の美を生み出します。

 

ヨーロッパやアメリカのパッチワークキルト、またインドのカンタ、ラリーキルトは模様を生み出すことに重きを置いておりますが襤褸はまず第一に使い続ける・寒いので丈夫にしたいという用途の中で生まれたものです。これを民芸では用の美と呼びます。 

 

そこには新しい物からは生まれない独特の風合いがありました。

今回はそんな襤褸の買取についてご案内したいと思います。

このブログが襤褸を売りたい・処分したいと思われている方や襤褸(らんる)にご興味が生まれた方のお役に立てたら幸いです。

 

 

高額で買取される襤褸とは

襤褸は主に藍染を継ぎ接ぎ、何層にもミルフィーユの様に重ねたものです。

藍染木綿は元々西日本が産地で木綿生産の北限は福島県会津地方と云われております。

それより以北の地では木綿自体が大変高級品で日常使いの衣服には麻を用いておりました。

 

北前船などによりもたらされた木綿は麻に比べ温かく厳しい冬を迎える東北地方では大変貴重な品でした。

一反の木綿さえ手に入らず、江戸や京都で使い倒された布団皮などのハギレを継ぎ接ぎし野良着や布団皮、寝具(夜着)といった日用品を作り使用しました。

 

襤褸の魅力はその様々な藍染や型染がモザイクの様に用いられたことによる色合いです。

藍染と一言でいってもその濃淡は様々、模様も格子や縞などバラバラです。

そういった色々な生地や模様が代々繋げてきた家族の歴史と相まり民藝としての魅力を放つに至ったのです。

襤褸を表現する言葉に「溶ける」とありますが、これは何層にも重なり合った布が融け合い融合したかのように見えることからくる表現です。

 

何層にも融け合うかのように重なり合った襤褸は大変希少性も高く、襤褸の中でも高額での買取になることがございます。もちろん布に使われた木綿糸の質も大切です。やはり手紡ぎ・手織りが最も糸味のよい木綿といえるでしょう。

 

襤褸は時代を重ねて育くまれてきたもののため表面に来れば来るほど若い布が用いられやすい傾向にあります。

また染料も時代のある木綿ですと自然染料ですが近年になりますと化学染料も用いられるようになります。

深い藍染はデニムなどに用いるインディゴに似ているとして海外のバイヤーから人気がありますので、もしお持ちの襤褸でご売却を検討されておりましたら色合いと糸味のご確認をお薦め致します。

 

 

そして忘れてはいけないアクセントが刺子です。

襤褸は継ぎ接ぎを補強させるために刺子がされているものも少なくありません。

藍染の中に白い刺子が程よいコントラストとなっているのです。

青森県津軽地方に伝わる伝統技法で「こぎん刺し」と呼ばれるものがあります。

青森県では木綿が育たず麻布を日常着に用いておりました。麻も木綿と異なり目が粗く通気性が良いため厳しい冬を過ごすため麻布を何層にも重ね刺子で補強をして用いました。

何層も重なっているためその重量も数㎏、時には10㎏を超えるものさえあります。

 

藍染の麻布を白い木綿糸で刺子にするのが青森こぎん刺しです、その源流がここにありました。

青森の襤褸は藍染の麻です。これに木綿糸で刺し子をし補強しながら使い続けます。

江戸時代、享保時代の倹約令により農民は木綿の使用が禁止され藍染の麻布を着衣としていたという時代がありました。

その後糸の強い木綿糸が手に入るようになると麻布に刺繍をして粗い布目を埋め空気を逃がさない工夫をするようになります。

 

襤褸の刺子は生活の中から生き抜く知恵として生み出されたものです。

分厚い布の層にはそれだけ人々が生活してきた歴史があります。

襤褸の美意識は滅私、無作為の美学に他なりません。

この精神性に心惹かれたのが民芸愛好家です。柳宗悦をはじめとする民芸運動は全国の名もなき職人、工人による手工業製品の再評価をしました。

襤褸の精神性はまさに民芸の精神であり、国内民芸ファンがよい襤褸をコレクションアイテムとして蒐集するようになります。

 

そのため刺子が入り、民芸的価値の高い襤褸には現在での高額査定額が見込めることが少なくありません。

お手元に襤褸がございましたら、刺子の有無をお確かめくださいませ。 

 

 

 

BOROとファッション

 

襤褸はBOROテキスタイルとして昨今海外を中心に注目を集めております。

襤褸の精神は現代の消費社会とは対極にあります。不規則的に修復された布が生み出す色と精神の調和は多くのファッションデザイナーや現代アーティスト、美術品コレクターのインスピレーションを駆り立てました。

 

BOROの手仕事は工業化に対する強烈なアンチテーゼです。

襤褸を文化的な遺産として遺そうとする動きは海外のBOROコレクターの方が日本人より強いかもしれません。

そこには襤褸の歴史が女性の手仕事によるというところも大きいと考えられます。

 

ファッションデザイナーやアパレルメーカーがそういった進歩的なメッセージを衣類に込め販売・プロデュースするようになると襤褸の価格は急騰しました。

2020年現在ではややその過熱ぶりは収まりつつありますが、それでも一級品の襤褸は高額でも欲しいという海外バイヤーは後を絶ちません。

 

もし襤褸をお持ちでご不要であるならば古布や民芸を中心に扱っている買取業者に見積もりを依頼するのもよろしいかと思われます。

一般的な骨董買取業者や大手リサイクルショップ、広告で目にするような大手リサイクル着物ショップでは襤褸に関する詳細な知識と価格を得ることは難しいでしょう。

 

 

 

 

襤褸(らんる)BOROを売るには

 

もしお持ちの襤褸を売りたいとなった場合

 


①民芸・テキスタイルのコレクターに売る

②ネットオークションやフリマサイトを使い自分で売る

③襤褸に詳しい買取業者に相談する


 

以上三つが主な方法だと思われます。

コレクターに売るというには実際のお知り合いにそういった方がいないと難しいので現実的ではないでしょう。

②と③はある意味コレクターや蒐集家への橋渡しとしてのご利用となるかと思います。  

 

ネットオークションやフリマサイトを介しご自身で売る方法は、相場をある程度調べられてしまう現在ではご自身の希望する価格で売買することができるのが最大のメリットと言えます。

もちろんデメリットもあります。襤褸は高額での取引になることも少なくありません。海外バイヤーも積極的にマーケットに参加しており発送先が海外ということも少なくありません。

高額ゆえのトラブルとして「想像していたものと異なるので返品したい」「ニセモノを買わせた」などのクレームや、返品に応じたら「中身が変わっていた」といった事例や入金をしてこない入金トラブルなどが挙げられます。

 この類のトラブルは年々増加傾向にあり、必要以上の気力と労力を費やさねばいけないこともしばしば、顔の見えない取引だからこそ信用第一で行いたいところです。 

 

③襤褸に精通した買取業者に問い合わせる最大のメリットは「襤褸の価値が分かる」です。襤褸は正確に価値を判断し値段を付けることが難しい古布のひとつです。何故なら価値があると思っている人とそうでない人の価値観の差が著しく乖離している骨董だからです。

 

色合い・糸味・時代性など襤褸には鑑賞のポイントがいくつかあり、襤褸に精通した買取業者はそれらの要素を今の市場価値に照らし合わせ査定額を算出します。これができない一般的な骨董買取業者や大手リサイクルショップ、大手着物リサイクル店など他の買取業者は正確な値踏みができないため査定金額を低く云わざるを得ません。

また襤褸に詳しい古布買取業者もいくつかございますのでお客様のお問い合わせに親身になって応えてくれるなど、ご自身に合った業者の取捨選択も必要かと思われます。

 

 

 

私たち呂芸も古布・民芸を中心に襤褸(らんる)買取に力を入れております。

もしお持ちの襤褸のご売却を検討されておりましたら是非呂芸にお任せ下さい。画像を添付するだけのLINE簡易査定も無料にて実施しておりますのでお気軽にお声掛けくださいませ。  

 

 

 

 

 

 

店舗 骨董茶道具古布はぎれアンティーク着物販売・買取/各種教室/呂芸

電話 03-3398-2144

住所 東京都杉並区荻窪5-16-15 井上ビル2F

営業時間 11時~17時00分

 

買取に関する電話 0120-410-314  

受付時間 9時~20時(営業時間と買取に関する電話受付時間は異なりますのでお気を付けください)

 

 

 

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この記事を書いた人

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丹下 健(Tange Ken)

丹下 健(Tange Ken)

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