和装小物とは着物をお召しになる際に着用する櫛(くし)や簪(かんざし)、笄(こうがい)、帯紐、帯留、また草鞋、さらにはバッグなどの総称になります。
年齢や季節、着物の装いに合わせて何点か簪(かんざし)や帯留などをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。
お着物のご売却・処分に関しましては芸能人を広告塔に起用した大手着物リサイクルショップなどがあり着物の買取は一般的となりつつあります。その一方で櫛(くし)や簪(かんざし)、帯留などの和装小物は買取の対象として見逃されやすいものとも言えます。
そこで今回はくしやかんざし、帯留めなどの和装小物の買取にスポットを当てたいと思いますので、これから和装小物の売却や処分を検討されている方のご参考になりましたら幸いです。
高額買取の可能性がある和装小物は…
・簪(かんざし)
かんざしは日本の代表的な装身具のひとつで髪を束ねたり髪型を維持するために用います。
江戸時代以降急激に発達した簪には原材料や種類が多岐に渡り、まさに日本の和装小物を代表する装飾品と言っても過言ではないでしょう。
簪の素材には柘植(つげ)や桐、桜などの木、金や銀をメッキした真鍮などの金属、鼈甲(べっ甲)や象牙、そして人工樹脂などが用いられます。
そして飾り部分の装飾には翡翠や赤珊瑚、瑪瑙(めのう)、水晶などが用いられ日本髪に彩り豊かなアクセントとなります。
簪には平打簪・玉簪・チリカン・ビラカン・吉丁・びらびら簪・つまみ簪などの種類が存在し、季節や場所などTPOによって使い分けがされました。
最もポピュラーな簪が玉簪と呼ばれる、耳かき状の簪に飾り玉が一つついた様式のものになりますが、そこに用いられている玉により買取価格に大きく差が生じます。
飾りの玉にサイズの大きい赤珊瑚が用いられている簪は、赤珊瑚の高い需要により高額での買取になるケースが多く見受けられます。サイズや赤珊瑚の状態により一概には申し上げにくいですが、10万円を超える査定額がつくかんざしもございます。
しかし赤珊瑚には大正時代に流行した赤珊瑚のイミテーション・明石玉や人工樹脂製の贋作も多いため骨董などの専門知識が必要不可欠ですので簪の買取には着物リサイクルショップではなく骨董・古美術の精通した骨董買取店をお薦め致します。
チリカン・ビラカンとは芸者や舞妓が使用する金属製のかんざしになります。
細かい細工が施され、ゆらゆらと揺れ触れ合うことにより「チリチリ」と音がするところから名付けられた簪です。
金工のひとつとしても考えられるため骨董品・美術品扱いに近い簪と言えるでしょう。
時代のあるチリカンやビラカンには純銀が用いられ、赤珊瑚で飾りつけられた豪華絢爛なものも存在します。
時代のある簪に関しては骨董品・古美術品となりますので時代考証の可能な骨董や古美術の買取店の方が正確な査定となる傾向が多く見られます。
・櫛(くし)
櫛は日本のみならず、世界中で使用されている、髪を梳いて整えたり髪を飾ったりするための道具になります。
日本における櫛の使用は縄文時代にまで遡りますが、現代のような形状に発展したのは江戸時代中期以降になります。
材質は簪同様に柘植などの木や竹、べっ甲、象牙、金属そして合成樹脂が挙げられます。
中には漆塗りに金蒔絵が施された櫛や螺鈿細工がされた櫛など、髪を梳くだけの道具ではなく美術品・装飾品として作られた工芸品も存在します。
蒔絵師にして漆工家の池田泰真などの著名な作家による櫛は骨董的価値・古美術的価値も加味され高額でのくし買取りとなる可能性がございます。
ただし櫛は歯が折れやすく、保存状態も査定に大きく左右致しますので、もし櫛をご売却の際はをご確認下さいませ。
櫛も骨董品・美術工芸品に属するため着物リサイクルショップ等ではなく和装小物に対する知識の豊富な骨董店や古美術店での査定・買取をお薦め致します。
・帯留
帯留は女性が帯締めに通す装身具で、ある意味最も装飾性が高い和装小物と言えます。
帯留の歴史も江戸時代後期の文化・文政時代(1804年~1829年)に始まったとされております。
当初は帯がほどけないようにするための帯の固定器具として実用性の高いもので、現在の様に紐を通すものではなく紐の両端でそれぞれ合わせて引っ掛ける金具の形状をとっていました。
幕末頃になり芸者の装身具として流行し、懇意の男性客の小柄や目貫、柄頭などの刀装具を帯留に転用していたと云われております。明治では廃刀令のため、より刀装具の帯留化が見られ刀装具を作ってきた金工たちも帯留を作る様になりました。
明治後半に現在のように紐に通す様式の帯留が流行するようになり固定器具から装飾品へと用途を変えます。
そのため帯留に用いられる素材は珊瑚や翡翠、瑪瑙、琥珀、またべっ甲に象牙、蒔絵、螺鈿、カメオ、水晶、さらにはダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルド、オパールなどの宝石、七宝や金銀プラチナそしてトンボ玉等が挙げられいずれも高級な装飾品・美術工芸品として制作されました。
明治以降の欧米化により上流社会では西洋の宝飾品に対抗する和装小物として帯留が用いるといった意味合いがあり宝石が散りばめられた帯留が垂涎の的として登場します。
紋付色留袖・丸帯の礼装にはルビー・サファイア・エメラルドを用いた帯留が使用されるなど装いに合わせた帯留が求められたため、それだけ多種多様な高級帯留が作られるようになりました。
また先述したように帯留は刀装具に替わる金工・工芸品として制作されたため時代があり、名のある彫金家や金工作家の作品になりますと骨董品や美術品としての評価が加味されます。 例えば大正・昭和の彫金家・桂光春の帯留は現在でも美術品として高く評価され、大変高額での帯留買取と繋がるケースが見受けられます。
帯留の売却には正確な査定が必須条件です。素材に対する見識と時代性・作家性をきちんと把握した上で市場の価格に照らした査定額を案出できる和装小物の買取可能店の選定を強くお薦め致します。
特に時代のある帯留に関しましては素材・金工家・彫金師の知識が不可欠になります。骨董品や工芸品の査定・買取に関しましては骨董品・古美術品を扱う骨董店・古美術店にお問い合わせするのが得策かとも思われます。
かんざし・くし・帯留などの和装小物は素材や時代性・作家性により大きく買取価格が異なります。
それは和装小物が骨董品・古美術品・美術工芸品に属するために他なりません。
骨董品や古美術品の処分方法にはご自身でネットオークションやフリマアプリにご出品される方法もありますが手間と思わぬ売買トラブルとなるケースもございます。
また和装小物は着物の装飾品のため着物リサイクルショップなどに着物買取・処分の流れでそのままご売却されてしまうケースも見受けられ、正確な査定がされぬまま低い価格での買取になり、そんなはずではなかったと後悔されるお客様のお声をたびたび頂戴いたします。
そのため骨董品や古美術品・美術工芸品になる和装小物のご売却には専門知識を持つ骨董店・古美術店にお問い合わせいただくことがよろしいかと思われます。
弊社・呂芸は杉並区に店を構え骨董品・着物・古布を中心に買取・販売させていただいております。
着物・古布と親和性の高い和装小物は弊社の得意とする分野となります。
もしご売却を検討されている簪や櫛、帯留などの和装小物がございましたら是非呂芸にお問い合わせ下さい。
価値のわからない、素材不明の和装小物でも構いません。その際はLINEなどweb査定も無料にて行っておりますのでご遠慮なくお問い合わせください。
呂芸の和装小物買取に関するお問い合わせはここをクリック↓
店舗 骨董茶道具古布はぎれアンティーク着物販売・買取/各種教室/呂芸
電話 03-3398-2144
住所 東京都杉並区荻窪5-16-15 井上ビル2F
営業時間 11時~17時00分
買取に関する電話 0120-410-314
受付時間 9時~20時(営業時間と買取に関する電話受付時間は異なりますのでお気を付けください)