江戸期刺繍
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近代染織文化において明治はまさにターニングポイントとなった時代でしょう。
明治期の裾模様は明治初期と後期ではその意匠が全く異なります。 明治初期の着物は奢侈禁止令が布かれた江戸時代の衣裳を踏襲したものとも言え 地味目の色彩に裾と袖の下部に模様を置いておりました。 これがいわゆる「裾模様」と呼ばれる形態になります。 模様も振袖や留袖には江戸期同様、吉祥模様や風景描写などが用いられ、幕末から 明治維新へと移行する不安定な世相を反映していたとも言えます。
明治20年を過ぎるあたりから地色に明るさが見られるようになります。 その代表的な技法が曙染です。 曙染とは元々江戸時代・寛文年間頃に京都の氏子新右衛門が始めたと言われており、 肩から裾に向けて紅や紫で淡くグラデーションをかけていき裾部分を残す 友禅のぼかし染めの一種です。夜明け前の曙のような、そのグラデーションは 朧染とも言われています。 化学染料の発色の良さも手伝い、さらにその空いた空間に円山派や四条派の日本絵師による 写実的な図が描かれ曙染は瞬く間に流行しました。
着物の地色も従来の黒・紺・茶色などに加え紅・紫・小豆紫・空色・緑などに染められ 配色も赤・ピンク・オリーブ・クリーム・藤などが使用されるようになり華やかな彩へと 段々変化していきました。 裾模様には八寸模様・七寸模様・五寸模様・三寸模様とあり、年配の女性ほど三寸などの 低い位置に模様を置くことが多かったようです。 そして明治初期は時流も重なり下の方に配置されていた模様も中期頃から段々と 上へ伸びていく傾向が見られます。
明治30年以後、新江戸妻の裾高模様が流行し、柄粋も段々と大柄化していき大正ロマンと 呼ばれるアール・ヌーボーやアール・デコ様式を取り入れた新たな時代へと移っていきました。
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