江戸期刺繍
人形は古布と関係の深い骨董品のひとつです。
日本人形ですと市松人形をはじめ雛人形・木目込み人形(木目込人形)・御所人形・からくり人形
・自由人形・文化人形・さくらビスクなど多種類あり、アンティークドールといわれるビスク
ドールが挙げられます。
時代のある日本人形の衣裳はいずれも古布が用いられ、素材は江戸ちりめん(江戸縮緬)・錦織・
唐織・刺繍裂・金襴・緞子・錦紗など様々です。人形は着せ替える要素が強いため持ち主様の
作意で古布が違うからです。
ビスクドールのドレスも同様に古布が用いられます。ビスクドールのドレスの素材で人気が
あるのはやはり古布のアンティークシルクでしょう。またアンティークレースも欠かせません。
18世紀のフランス貴族をイメージされる方ではトワイドジュイなどのアンティークコットンも
使われているかもしれません。
この様に和洋問わず人形と古布は切っても切れ離せないものと言っても過言ではありません。
また現代においても現代の人形師による市松人形やビスクの創作人形、球体間接人形、そして
スーパードルフィーなどでも古布で衣装を誂える方が多く見られ、古布と現代創作人形の新しい
人形文化もできつつあります。
持ち主様の想いとともに人形師の想いもまた人形文化を語る上で重要な要素と言えましょう。