日本の伝統的染織品である着物や帯には、これまでに数多くの人間国宝に指定された方々、重要無形文化財に指定された産地織物が存在します。それは日本の長い歴史の中で育まれ洗練されてきた意匠であり、研ぎ澄まされた技法の証左でもあります。
今求められているのは世界で唯一無二の一点もの、極上の和様美です。そしてそれは失われた日本の美意識の再興・再発見でもあります。
室町時代に栄華を極めた技法「辻が花」を再興しようと試みた人間国宝・久保田一竹、民藝運動(民芸運動)の祖・柳宗悦に共鳴した母より染織を、富本健吉より芸術論を学びそれまで農村の手作業だった紬織を芸術の域まで高めたとさえ言われた人間国宝・志村ふくみ、沖縄が誇る伝統的染織品・芭蕉布の復興に尽くした人間国宝・平良敏子…先人達の残した遺産とも言うべき優れた染織品や着物を後世に伝えていくことが私たち着物に携わる者の使命であると確信しております。
高級着物買取作家一覧
【加賀友禅 】
木村雨山・談議所栄二・能川光陽・由水十久
【京友禅 】
田畑喜八・品川恭子・松井青々・山田栄一・吉野一廉
【友禅 】
中村勝馬・中村光哉・羽田登喜男・上野為二・田島比呂子・羽田登・山田貢・森口華弘・森口邦彦・ニ塚長生・山田貢
【江戸小紋】
小宮康孝・小宮康助・中村勇二郎・中島秀吉・六谷梅軒
【その他人間国宝】
江里佐代子・小川善三郎・鎌倉芳太郎・喜多川平朗・喜多川俵二・北村武資・久保田一竹・甲田栄佑・甲田綏郎(こうだよしお)・古賀フミ・五嶋敏太郎・児玉博・佐々木苑子・清水幸太郎・志村ふくみ・鈴木滋人・芹沢銈介・平良敏子・千葉あやの・土屋順紀・玉那覇有公・南部芳松・深見重助・福田喜重・細見華岳・松原定吉・宮平初子・宗廣力三・村上良子・森口華弘・森山虎雄・吉田文之・六谷紀久男
【その他着物作家】
藍田正雄・青戸柚美江・新垣幸子・岩井香楠子・浦野理一・小倉淳史・梶山伸・久保田明功・坂口幸市・沢口ハル・柴崎圭一・柴崎重一・城ノ内みゑ・城間栄順・鈴木紀絵・鈴木苧紡庵・鈴田滋人・添田敏子・高木空木・龍村平蔵・龍村晋・千葉まつ江・千葉よしの・築城則子・鳥巣水子・中町博志・新田秀次・野村半平・野口功造・野口真造・野口彦太郎・野口真太郎・原田麻那・林宗平・百貫華峰・深石美穂・藤山千春・古澤万千子・本郷孝文・毎田健治・毎田仁郎・真栄城興茂・松枝哲哉・松枝玉記・松原利男・水野博・皆川月華・恵積五郎・森山虎雄・山口源兵衛・山本由季・柳悦孝・柳栄枝・柳悦州・柳崇・山岸幸一・山下め由(山下めゆ)・山下八百子・山下芙美子・山鹿清華・山口伊太郎・柚木沙弥郎・与那嶺貞・吉岡常雄・若松華瑶
【買取対象工房・織元など】
尾峨佐染繍・大彦・帯匠捨松・川島織物・河村織物・河合美術織物・勝山織物・北尾織物匠・銀座きしや・久保耕・窪田織物・誉田屋源兵衛・三風魯・翠山工房・ しょうざん(生紬)・白山工房・草紫堂・染めの北川・龍村美術織物・千總・千切屋・東京染繍大彦・都喜ヱ門・灘織物・に志田 ・桝屋高尾・むら田・紋屋井関・山口美術織物・吉沢織物・ゑり善・洛風林・渡文・大羊居
【産地染織】
綾の手紬・出雲織・出雲紬・伊兵衛織・伊那紬・牛首紬・小千谷縮・越後上布・江戸小紋・小千谷縮・本場大島紬・貝紫(帝王紫)・加賀友禅・川平織・芭蕉布・本場黄八丈・京友禅・葛布・久米島紬・久留米絣・郡上紬・黒八丈・献上博多織・楮布・小倉縞・ざざんざ織・薩摩絣・塩沢紬・科布(榀布)・首里織・信州紬・本塩沢(塩原御召)・精好仙台平・丹波ちりめん・丹波布・綴れ織・南部絞(南部紫根染・南部茜染)・紅型・宮古上布・綿薩摩・八重山上布・弓浜絣・結城紬・読谷山花織
高級着物をお売りの際に重要なのことは「作家性(織元・染元)」「産地染織」「証紙」「コンディション」です。
作家ものにも作家本人の作品であるものと工房で制作されたものがあり、この二つでは大きく評価がわかれます。また手織か織機でも評価が変わります。
西陣織の龍村美術織物と聞いて頭に浮かぶのが「龍村平蔵製」と「たつむら製」です。「龍村平蔵製」は龍村錦帯ともいい、初代龍村平蔵から当代4代目にわたり高島屋と制作してきた高島屋オリジナルの帯です。一方「たつむら製」は龍村美術織物の独自ブランドになります。漢字で「龍村製」と書かれた帯もございます。
例えば、ご家族の方が残された帯に「たつむら製」とあっても、あまりお着物に馴染みのない方ですとそれが手織が織機によるものか判別するのは難しいかもしれません。
産地染織は文字通り特定の産地の染織品なのですが、その産地の技法が重要無形文化財や伝統工芸品に指定されていることがございます。久留米絣は1956年という戦後の比較的早い段階で重要無形文化財の指定を受け、その後1976年には伝統工芸品の認定もされております。この久留米絣の技術保持者の代表作家が松枝玉記です。久留米絣の伝統的な手織による柄つくりと藍染を最も得意とし、短歌の才もあったことから、詩的感性を取り入れた文様や濃淡豊かに表現された藍染で唯一無二の作品を作り出すとともに久留米絣の発展に努めました。
それら「作家性(織元・染元)」や「産地染織」を担保するのが「証紙」です。証紙とは布地の織元や織物工業組合などが発行している紙で、織元の名前や正絹シール、伝統工芸品マークなどがあり、この証紙の有無が査定価格を大きく左右すると言っても過言ではございません。
もちろん証紙のない場合でも高級着物の買取り自体は可能で、鑑定力のある業者なら判別はつきます。しかしながら次の方にお渡しするということになりますと、ご購入されるお客様の立場からしますとやはり証紙があった方が安心材料となりますので結果的に買取価格が下がってしまう傾向にあります。
最後に「コンディション」です。着物は湿気に大変弱く、タンスなどにしまったままですとシミや虫食いの原因となり、結果的に査定額を下げてしまいます。
特に高級着物や作家ものですと一点もののお着物が存在します。定期的にお着物の状態を確認される上でも年に二回くらいの虫干しをお勧めいたします。
時期的には1月から2月の湿気の最も少ない時期と夏と秋についてしまった虫を払う意味でも10月から11月が最適かと存じます。
私たち呂芸は杉並区で1985年来、古布やお着物を中心に続けて参りました。その中で高級着物や特選着物などの鑑定眼を養い、ご依頼を受けた作家もののお着物など一点一点お客様に寄り添った査定を常に心がけております。
高級着物と言えども市場の需要や流行などもございます、そのような多角的要素なども鑑みるとともにこれまでの経験を活かし、高級着物を買取という形で次のお客様への橋渡しのお手伝いをさせていただいております。お客様がこれまで大切になさってきたお着物です、ご売却の折には経験と見識のある呂芸に是非お任せ下さいませ。