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こんにちは、「骨董品古布はぎれアンティーク着物販売/骨董品古布はぎれアンティーク着物買取り　呂芸」です。

本日は山形県酒田市にて民藝（民芸品）の買取りに行って参りました。山形県酒田市は鶴岡市とともに北前船の寄港であり庄内地方の要ともいうべき港町のひとつです。

今回ご案内したいのがこの「伊勢形紙」です。こちらは江戸時代の伊勢型紙になります。

伊勢型紙とは主に着物の布地に一定の文様を染めるために用いる型紙です。この度お譲りいただいた型紙はいずれも小紋に用いられたものでしょう。

ご依頼者様は近々ご息女様のところにお引っ越しされるご予定でご実家の整理とご自身の生前整理・終活を兼ねて伊勢型紙とご一緒にこれまでご蒐集されてきた型染の木綿や江戸ちりめんなどの古布も買取りという形でお譲りいただきました。江戸期の伊勢型紙の精密な彫りに魅了を感じられ少しずつご購入されたそうです。

お客様の仰る通り、まさしく伊勢型紙の魅力はその緻密なまでの彫りにあります。

お預りした伊勢型紙はいずれも縦が13㎝から14㎝と細いものが多く、そのどれもが1㎝四方満たない範囲で文様が彫り込まれておりました。

横幅は36㎝くらいですから鯨尺1尺に満たないくらいの幅で、これは恐らく当時の布巾に合わせた仕様だと思われます。

今現在の型紙は、文様の大小もございますが、およそ25㎝×38㎝くらいですから江戸期の型紙の精密さには驚嘆するばかりです。

職人はそれぞれ独自の彫刻刀を作製し、錐彫り・道具彫り・突彫り・縞彫りなどの手法で柿渋で補強された美濃和紙に文様を彫り抜いていきます。いまではこの手法が伝統の技として受け継がれていますが江戸時代では職人一人一人が試行錯誤をしながら作り上げた方法なのでしょう。

それを名もなき職人たちが作り出し続けたわけですから「民藝」と言っても過言ではございません。

染色の分野において型紙は外せない存在です。そのなかでも伊勢型紙は京都に近いこともあり友禅染などにも用いられます。型紙の手法は各地で藍染木綿の型染でも応用されました。琉球の型染でもある紅型は染色家の芹沢銈介を魅了することとなりました。

お譲り下さったお客様も型染がお好きでリメイクなどをされて古布を楽しまれていらっしゃいました。ご自身はもう存分に楽しまれたので次の方にお譲りしたいとの旨をいただき弊社・呂芸をお選び下さりました。想いの込められた伊勢型染や型染、古布をお譲り下さりありがとうございました。責任をもって次の代に伊勢型紙のような素晴らしい民藝と古布の魅力を伝えていきたいと思う所存です。

「骨董品古布はぎれアンティーク着物販売/骨董品古布はぎれアンティーク着物買取り　呂芸」では伊勢型紙などの民藝や民芸品、古布、お着物の買取りを強化しております。

タンスにしまわれたままのお着物や古い物、民藝はございませんでしょうか。ご実家の整理やご遺品の整理、生前整理や終活のお手伝い、倉庫・蔵の整理も承っておりますのでお気軽にご相談下さいませ。

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