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和楽器
2020.12.29

琵琶の買取・売却に関するお役立ちポイントについて

 

 

『琵琶の買取・売却に関するお役立ちポイントについて』はじめ

「琵琶」という和楽器のことをあまりご存知ではない方も多いかと思われます。

琵琶とは東アジアの有棹弦楽器の一つで、弾くための弓は使わず弦を弾いて音を出す撥弦楽器になります。

奈良時代に伝わった琵琶は宮廷貴族たちの間で流行し、娯楽として人気を博します。特に正倉院御物に収められている最古の琵琶「螺鈿紫檀五弦琵琶」が有名です。

 

現在でも4弦のものは中国や日本を中心に琵琶愛好家に演奏されております。

また琵琶には美術用としての需要もあるため高額で取引されるケースが見受けられます。

しかしいざ「琵琶を売りたい」「琵琶を処分したい」「琵琶を買取って欲しい」と思われた際に持ち主様ならともかく、そうではない方にとって琵琶の価値や買取相場についての情報を知ることはかなり困難かと思われます。

そこで今回は琵琶の買取や査定に関するポイントをまとめましたので、ご自宅に琵琶をお持ちの方はぜひご参考くださいます様お願い致します。

 

 

琵琶の歴史について

琵琶を売るにはまず琵琶の歴史を知らねばなりません。

 

今現在主に使われている四弦琵琶は西アジアウードやヨーロッパリュートと共通の起源を持ち、形もよく似ております。卵を縦に半分に割ったような形の共鳴胴に棹を付け、糸倉(ヘッド)がほぼ直角に後ろに曲がった形です。

実物は既に失われ現存しておりませんが、ササン朝ペルシア遺跡から出土する工芸品の浮彫り装飾などに、琵琶のようなの楽器がしばしば見られます。糸倉が後ろに曲がり、多くは撥をもって弾奏されており、この「バルバット」と呼ばれる楽器が四弦系琵琶やウード、リュートの祖先と云われております。

これが中国に伝播したのは前漢の頃とされており(諸説あり)、現存する世界最古の四弦琵琶は、現在確認されるものでは、正倉院に保存されている数面の琵琶ではないかとされております。これらはいずれも奈良時代の琵琶になります。

 

今では無くなってしまった形ですが五弦系(直頚)琵琶はインド起源とされ、糸倉は曲がらず真っすぐに伸びているという特徴があります。これもまた正倉院に唯一の現物「螺鈿紫檀五絃琵琶」が保存されております。

 

琵琶がいつ中国に伝わったかはいまだ不明ですが、西晋傅玄「琵琶賦」に伝説によれば、のときに万里の長城を築く労働者が演奏したとも、前漢烏孫公主が馬上で演奏できるように作ったとも云われております。

しかし、当時「琵琶」と呼んだものは現在の琵琶と異なり、阮咸のような楽器だったのではないかとされており、一方で北魏時代の敦煌莫高窟壁画に5弦の琵琶が描かれていることから、現在につながる琵琶は北魏時代に中国に伝わったものとされるのが一般的です。 

時代も下り唐時代になりますと琵琶は現在の日本の琵琶とほぼ同じ形をしており、宮廷音楽から民間音楽まで、合奏、独奏、歌唱の伴奏と広く愛好されるようになりました。

 

 

日本の琵琶は7.8世紀ごろ、奈良時代に中国から伝わります。正倉院の宝物として伝来当時の琵琶が伝えられております。半開の扇もしくはイチョウの葉の形に似た撥で弦を弾奏するのが特徴として挙げられます。

 

 

琵琶の種類について

琵琶には五弦琵琶、唐琵琶、楽琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶などの種類があります。

しかし五弦琵琶と唐琵琶については、五弦琵琶は正倉院にあるもののみ、唐琵琶はほとんど流通していないことから現在日本にある琵琶の種類は5種類に大別されます。

 

・楽琵琶

楽琵琶は雅楽で両絃と呼ばれるもののうちの一つで、管絃、催馬楽(さいばら)に用いる琵琶となります。日本の琵琶の中で最も大きく、奈良時代に伝えられた唐代琵琶の形をほとんどそのまま現代に伝えております。

 

・平家琵琶

平家琵琶は楽琵琶から派生したもので、楽器は楽琵琶とほぼ同じつくりですが、柱を増やし小型の物が好まれております。平家物語を語るときの伴奏に用いられる琵琶として有名です。

 

盲僧琵琶

盲僧琵琶は当初仏教儀式に用いられ盲人の僧侶がこの琵琶の伴奏で経文を唱えていたとされておりますが、その一方で語り物の音楽として娯楽的なものでもあったようです。琵琶近代二種・薩摩琵琶と筑前琵琶は盲僧琵琶から派生したものです。

 

・薩摩琵琶

薩摩琵琶は16世紀に活躍した薩摩の盲僧・淵脇了公が領主・島津忠良の命を受けて、武士の士気向上のため盲僧琵琶を改造し武士の倫理や戦記・合戦物を歌い上げる勇猛豪壮な演奏に向いた作りにした琵琶になります。武士の士気を高めるため大きな撥を用い、激しく打ち鳴らす独自の音楽スタイルが確立されました。

 

・筑前琵琶

「筑前琵琶」は明治中期ごろに作られた琵琶で、上記致しました盲僧琵琶と薩摩琵琶とを掛け合わせ、そこに三味線の要素も取り入れて制作されや琵琶になります。筑前琵琶の音楽は薩摩琵琶に比べ曲風がおだやかで、楽器、撥ともやや小柄なことが特徴です。

 

 

琵琶の買取・査定の重要ポイント

琵琶の買取には種類の他「素材」「作家性」「保存状態」「保存の有無」などの査定ポイントがありますのでその代表的な例をご案内したいと思います。

 

まずは素材です。紫檀や黒檀、象牙など素材が用いられた琵琶は素材自体が高価なためは高額査定がつきやすい傾向にあります。

  • 次に「作家性」です。例えば薩摩琵琶の人間国宝「石田不識」作の琵琶は高額買取となる可能性が大いにございます。
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  • これは琵琶買取に限った話ではありませんが、保存状態の良し悪しは買取査定では大変重要なポイントとなります。
  • 特に琵琶は楽器ですので現在も演奏することができるかがとても重要です。さらに割れやキズ、欠けなどがある場合は評価が低くなってしまいます。
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  • 装飾の有無も大きな査定ポイントとなります。
  • 高額買取されやすい琵琶は時として豪華絢爛な螺鈿や蒔絵、彫刻などの加飾が施されております。
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  • これらのポイントをクリアした琵琶は買取査定において高額となる傾向にありますので琵琶をお持ちの方は是非ご確認ください。
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  • 琵琶の買取相場
  • 琵琶の買取相場は一般的に4万円程度とされております。
  • しかし琵琶の買取価格は種類や作家や状態によって幅が大きいため買取業者のweb査定やライン査定などで価値や大よその買取価格を確認しておくことのもよいでしょう。
  • 買取業者によって琵琶の査定額が異なることが予想されますので、場合によっては複数の買取業者に見積もりを依頼し、条件の良いところに売却されるのもよいかと思われます。
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  • 『琵琶の買取・売却に関するお役立ちポイントについて』まとめ
  • 琵琶とは東アジアの有棹弦楽器の一つです。
  • 琵琶の起源はササン朝ペルシア遺跡から出土する工芸品の浮彫り装飾などに、琵琶のようなの楽器が見られることから、この「バルバット」と呼ばれる楽器が四弦系琵琶やウード、リュートの祖先ではないかとされております。

    中国に琵琶が伝わったのは前漢時代とも北魏の時代とも云われておりますが日本に伝わったのは奈良時代です。

  • 現在日本にある琵琶の種類は楽琵琶、平家琵琶、盲僧琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶の5種類に大別されます。
  • 琵琶の買取ポイントは「種類」「素材」「作家性」「保存状態」「保存の有無」です。
  • 素人の方ですとなかなか琵琶買取相場などが分かりにくいと思いますので、琵琶の買取・査定には琵琶に詳しい買取業者に依頼することをお勧めします。
  • 買取業者によって琵琶の査定額が異なることにございますので、複数の買取業者に同時に見積もりを依頼し売却されるのもひとつの案かと思われます。
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