買取価格:6万円
石仏とは
日本ではかつて神仏習合が定着し、仏以外も篤く信仰する人が多かったため道祖神などの石の神像も多く建てられました。
また独立した石塊を彫り上げた石仏、岩壁に刻まれた磨崖仏(摩崖仏
)、石窟
内の壁面に彫られた石窟仏の3種があります。 さらに彫出しの状態から、線刻、薄肉彫り(レリーフ
)、光背をも一石から彫り出したりする浮彫
り(半肉彫りや側面まで露出した高肉彫り)、背面まで彫り上げた丸彫りなどに分けられます。
石仏は仏像コレクターの方から人気の高い仏像の一つですが、あまり詳しくない素人の方にはなかなか価値が分かりにくい仏像かもしれません。
そこで「石仏の買取について」と題し、買取と査定のポイントについてご説明したいと思います。
日本の石仏
古代から中世の日本では、関西地方を中心に権力者や修験者、僧侶などによって石仏は多く作られました。近世に至ると、素朴な信仰心を背景に一般庶民がその制作に携るようになります。
日本最古の石仏とされる奈良石位寺の三尊像(7世紀)は、一石の半面を用い、方座に倚座した中尊と立像の両脇侍を彫り出した表情の愛らしい石仏です。兵庫県の古法華三尊(こぼっけさんぞん)も7世紀ごろの作とみられる半肉彫りの石仏ですが、古代の石仏の多くは凝灰岩でつくられたため石肌には独特の美しさがありますが耐久性に欠け損傷も見られます。奈良時代に東大寺の開山良弁(ろうべん)によってつくられたとされる奈良頭塔石仏群は、いかにも奈良時代風の豊麗さをもつ浮彫りで、階段ピラミッド形の墳丘の周りに花崗岩の一石彫りの像をいくつも配置しております。またこのころには石製層塔の基部に石仏を彫り出したものや、岩窟内の壁面に浮彫りした例もあるようです。
平安前期の石仏としては奈良地獄谷の線彫りの像や滋賀県狛坂廃寺石仏があり、とくに狛坂磨崖仏は朝鮮の新羅との密接な関係が指摘されております。平安後期には北九州をはじめ各地で磨崖仏が制作されました。阿蘇山の溶岩を利用した大分・熊本地方は日本最大の宝庫ですが、大分県の臼杵石仏はとくに著名で中心になるホキ石仏の阿弥陀三尊は凝灰岩から丸彫りに近く彫り出された堂々たる体躯の磨崖仏です。富山県日石寺の不動明王坐像は高さ3メートルに及ぶ薄肉彫りの像で、立山信仰との関係も考えられますが、大岩不動として今日も尊崇されております。栃木県大谷寺の石仏群(大谷磨崖仏)は大谷石とよばれる凝灰岩に浮彫りし漆食で表面をつくった珍しいもので、なかでも4メートルの千手観音は見ごたえがあります。福島県大悲山の石仏群、泉沢石仏も摩損が著しいが当時の特徴を残した石仏として有名です。
鎌倉時代には仏教が一般民衆のなかに深く溶け込んだ結果、ほかの材料よりも費用的に負担のかからない石仏の造立は急激に盛んとなります。前代に引き続いて凝灰岩製の磨崖仏もつくられたが、規模も小形化して作品の質も劣ったものになったのに比し、技術的には向上して花崗岩や安山岩などの硬い石材が用いられるようになったようです。神奈川県の箱根石仏は安山岩系統の代表作の一つとして知られております。群馬県不動堂の不動明王像は建長3年(1251年)の銘をもつ丸彫り像ですが、上下の半身が別材からなる特異な造法をとっております。鎌倉浄光寺の正和2年(1313年)在銘の地蔵像も、鎌倉時代まではほとんどみられなかった丸彫り像である点が注目されています。京都府の当尾石仏群、神奈川県九品寺の浮彫り像なども、この時代の石仏として著名です。以後石仏は花崗岩、安山岩、凝灰岩、砂岩など種々の石材を使って全国的に広がっていくが、室町時代以降は庶民信仰に基づく像が多作されながら形式化が進み、美術的に目だったものはないようです。江戸時代には五百羅漢の群像や、民間信仰的な地蔵像、青面金剛像、馬頭観音像などが多数つくられていた模様です。
ただ現存する石仏の約80%位は江戸時代に制作されたものといわれております。現代においても墓地のほか、災害や事故・殺人事件などの現場では、慰霊のために地蔵菩薩が置かれることがございます。
こうした石仏は信仰の対象とされたほか、地域の民俗や文化を伝える存在として研究されたり、写真集などが出版されてています。一方で過疎地の人口減少や信仰心の衰退に、土木工事や住宅建設などが加わり、石仏が撤去・破壊されることも多くなっており保存方法が問われております。
石仏の種類としては圧倒的に地蔵菩薩が多いです。
地蔵菩薩はいわゆる「お地蔵さん」と呼び親しまれているもので、右手に錫杖、左手に宝珠を持っているのが特徴となります。立像と坐像があり、坊主頭で衣をまとっている姿が一般的かもしれません。丸彫り、線彫り、浮き彫りなどの彫り方の違いがあるのも興味深いです。
- 六地蔵は六体からなる地蔵菩薩です。地蔵菩薩は弥勒菩薩がこの世に現れるまでの無仏の間、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)へ救いの手を差し伸べるとされ、各道に各地蔵が派遣されているという考えに基づきます。
- 馬頭観音も路傍に置かれる石仏で最もよく見られます。文字で刻まれることもあるようです。
- 如意輪観音は立て膝で頬に指を当てた姿態の坐像で、一面二手、四手、六手像が一般的です。宝珠と法輪を手に持っている特徴があります。江戸時代中期以降は、女性の信仰の対象になることが多くなり、月待供養、念仏供養などの主尊として数多く造られるようになったそうです。
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- また道祖神も多く作られました。
- 峠や村境あるいは橋のたもとなどに多く祀られ、別名「さえのかみ」とも呼ばれ、その起源は中国にあるそうです。外敵や疫病から民を護ってくれるという素朴な民間信仰から生まれた神でもあります。その姿も多種多様であり仲睦まじい男女の姿として彫られているものもあり縁結び、子孫繁栄、交通安全の神としても信仰されます。
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石仏の査定ポイント
ここでは石仏の査定ポイントをご紹介します。
①保存状態(コンディション)がよいかどうか
これは石仏に限らず、骨董品や美術品買取全般に当てはまる条件ではありますが、ヒビ割れや欠け、割れなどが入ってしまったものは完品に比べると買取価格は下がります。
石仏の場合ですと、外に置いている場合がほとんどなため雨風による風化や劣化が見受けられます。そういったものの中には顔の表情すら分からなくなってしまったものもあり、大きく査定評価価格が下がる傾向にあります。
②購入時の領収書などは残っているかどうか
これは持ち主が石仏をどういったルートで入手したものか調べるためのものです。
デパートや百貨店の催事などでご購入されたもの、また有名な骨董店、アンティークショップで高額購入したものであるならば、購入価格を鑑みた買取価格を算出することができます。ただし購入した時期などもあるため当時高額だったから現在でも高額買取可能というわけではありません。
石仏の場合、ほとんどが地蔵や道祖神であることから盗品の場合も考えられるため、より詳しい入手経緯が求められることもありますので注意してください。
③石仏買取に詳しい買取業者であるかどうか
石仏買取に限りませんが骨董品や美術品の買取には専門的な知識が必要となります。
そのため石仏買取を得意とする買取業者とそうではない買取業者に分かれます。
また一般的な大手リサイクル店では骨董的価値のある作品を見分けるのは難しいため避けた方がいいでしょう。
まずは持ち主のニーズに応じた買取業者の選択をお勧め致します。
日本では神仏習合が定着しており仏以外も篤く信仰する人が多かったため地蔵像や道祖神などが多く流通いしております。
石仏の買取査定で気を付けるポイントとしては①保存状態・コンディションが良いかどうか②作品購入時のデパートや百貨店、有名美術店、アンティークショップなどでの購入価格がわかる領収書は残っているかどうか(盗品ではないか)③買取査定を依頼する買取業者が石仏に詳しい業者かどうか、などが挙げられます。
場合によっては買取業者何社かに買取査定依頼を出して問い合わせてみるのもよいかと思います。
最近では電話はもちろんLINEなどを用いた画像を添付するだけの簡易査定を行う業者がほとんどですので一度ご利用されてみて、ご不安でしたら相見積りをとられてはいかがでしょうか。
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