絵葉書の買取について
「古い実家や実家の蔵にある物を整理している時に出てきた古い絵葉書の山どうしたらいいでしょうか」
「亡くなったご身内の遺品整理をしていたら大量の絵はがきが出てきて処分に困っています」
このようなご相談をよく受けます。
絵葉書は写真がまだ一般的でなかった昭和初期ごろ流行した大衆文化のひとつで、今でもコレクターアイテムとして人気があります。また海外ポストカードも味わいがあり蒐集されている方も少なくありません。
印刷物になりますのであまり高い物には見えず、数も多いため捨ててしまおうかと思われるかもしれません。
そこで今回はそういった絵葉書の処分・買取について説明していきたいと思います。
絵はがきの処分をご検討中の方の参考になれば幸いです。
絵葉書とは
絵はがきとは絵または写真が印刷された郵便はがきです。1870年普仏戦争の頃、ドイツ(プロイセン)で官製はがきに兵士と大砲を印刷したものが最初の絵葉書と云われております。
日本では1900年に私製はがきの発行が認められ1902年には官製はがきでも絵はがきが発行され当時の話題となりました。日露戦争の際には士気高揚のため「戦役記念絵葉書」を戦局に応じて発行し絵はがきブームを巻き起こすこととなります。
戦争が終戦すると「凱旋記念」の絵葉書が発行され郵便局の前には夜明け前から長い行列ができたと云われております。
今現在も観光地のお土産用の写真絵はがきや官製の記念絵はがき、また手軽に自分の挿絵などを描いたポストカードなどコレクションアイテムとして、絵手紙として根強い人気を維持しております。
これは骨董品全般で言えることですが、買取として必要な要素は時代性と希少性です。
絵はがきに当てはめれば「古い絵葉書」と「レアな絵葉書」は買取対象になり得るということになります。
中でも戦前絵葉書は当時の風俗を知る上で資料的要素もあり絵葉書の中でも高額な買取がされるケースが多く見受けられます。
日清戦争・日露戦争を経て日本は中国大陸へ進出します。
朝鮮半島や中国・満州での生活風絵葉景を写した写真書や旧日本軍の戦艦などを写した写真絵葉書は現在でもコレクターが多く高額買取となる可能性がおおいにございます。
戦前の絵はがきかどうか見分けるポイントのひとつに右から左に「郵便はかき」と読むことができる文字の有無が挙げられます。表記的には「きはか便郵」となっています。
更に付け加えるならばその文字表記が「はかき」であるか「はがき」であるかでも同じ戦前でも若干の時代が変わってきます。
また戦前のポストカードかどうかの見極めには貼られた切手を見るのも有効な手段です。
戦前の絵はがきで最も多い昭和時代ですと葉書一枚あたりの郵送料が2銭か3銭となります。
この場合使用済み絵葉書(エンタイヤ)に限られてはしまいますが、使用済みでも葉書自体が希少性が高い物であるならば高額査定となり得ます。
宛名を書く宛名面の仕切り線でも年代の区別は可能です。
最もわかりやすいのが1900年から1906年発行の絵はがきで、宛名面には仕切り線がありません。この時代は宛名面には住所と名前以外の記入は禁止されていたため仕切る必要がなかったからです。
その後、宛名面の下に文章など所謂通信文を書くことができるようになると宛名と文章を分ける仕切り線が印刷されるようになります。
ただ古い絵葉書の簡単な鑑定ポイントが色々わかっても、どこの買取業者に査定を依頼すればいいのか迷われるかもしれません。
「絵葉書買取」で検索すれば骨董屋、古美術店、買取専門業者、リサイクルショップなど数多く、選択肢が多いことも悩まれる要因かもしれません。
先ずは絵葉書に対する知識と買取実績などが伴った買取業者をお薦め致します。
また現在では多くの買取業者がLINEなど画像を添付するだけの簡易査定を行っておりますので見積もりをご依頼するのもよいかと思います。
画像での判断ですので実際の査定とは異なることもままございますが絵はがき売却の際の目安にはなるかと存じます。
絵葉書は印刷物のため蒐集しやすく、大量に遺されることも多く価値がわかりにくい骨董品のひとつです。
ただしその中にも戦前の風俗を写した資料的価値のある絵葉書や今はなき歴史的モニュメントが映っている写真絵葉書などは高額買取の可能性があります。
もしご自宅に価値のわからない絵はがきやポストカードがあり売却したいのであれば専門業者に一度ご相談されるのがいいかもしれません。複数の業者に合い見積もりを依頼されたり、また現在はLINEにより手軽に査定が出来るためスマホからそのまま写真を送られるのもよろしいかと思われます。