古鏡の買取りについて
日本に鏡が最初に伝わってきたのは、紀元前(中国前漢時代)と言われております。弥生時代から古墳時代にかけて中国の後漢・三国・六朝の鏡がたくさん入ってきました。それらは顔を映す物としてよりむしろ有力な豪族たちの宝物や祭事の器として珍重されたそうです。
古鏡はコレクターの多い骨董品のひとつですが、あまり詳しくない素人の方にはなかなか価値が分かりにくい仏像かもしれません。
そこで「古鏡の買取りについて」と題し、買取りと査定のポイントについてご説明したいと思います。
東アジアでは中国で鏡作りが始まり、約4千年前の「斉家文化期」(新石器時代)が古く、殷・周代を経て、春秋戦国時代
になると華南地方を中心に大量に生産・流通することとなりました。中国鏡の日本への渡来は弥生時代
中期から確認されております(日本での金属鏡の始まりは前2世紀前後)。日本では、紀元前2世紀から後16世紀(弥生期から桃山期
)までの約1800年間を「古鏡
の時代」と区分・分類しています。 日本に中国大陸から鏡が伝来したのは、弥生時代前期(約2,200年前)だとされております。それは青銅製で、現在のような顔を映す道具というよりむしろ、太陽の光を反射する神秘的なものとして祭祀や魔除けなどの儀式に用いられ、また有力豪族の権力の象徴として珍重されました。歴代の天皇が受け継いだ「三種の神器」には、「天叢雲剣(草薙剣)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま))と共に、人の真影を映す力があるとされている「八咫鏡(やたのかがみ)」も伝えられています。
古墳時代(3世紀末頃または4世紀初頭頃~7世紀頃)になりますと、日本でも鏡作部(かがみつくりべ・鏡を作る工人)が鏡を製作しるようになり国産の鏡が増えていきます。平安時代以降に日本でつくられた日本風の鏡(和鏡)が増え、それ以前の時期に漢,隋などの中国風の鏡を模してつくったものは仿製鏡と呼んで区別さてました。銅を主体とした金属鏡で、鏡背の文様には草花鳥蝶など自然の風物を意匠化したものが多いのが特徴です。これらは貴族や上流階級の化粧道具や神仏への奉納物・祭祀用具として用いられました。特に平安貴族の化粧をする風習により映像具としての鏡に対する需要の増大をうかがい知ることができます。平安に続く鎌倉時代の鏡は武家社会ということもあり技巧的に重厚なものでしたが、文様の表現は硬くなり情趣に乏しくなる傾向にあります。 この当時の鏡の多くは円形でしたがに方形の存在も確認されております。室町時代頃からこれに長方形の柄をつけた、いわゆる柄鏡が現れ、やがて「天下一」などの文字,製作者名,紋所などを表わしたものも出現するようになります。
柄鏡は鏡に柄をつけたもので、中国では宋代に始まり、日本では室町時代につくられるようになりました。そして江戸時代には鏡はこの形が大部分を占め、いま現存する和鏡をこの時代のものがほとんどです。江戸時代の柄鏡は新しい鋳造法によって量産化され、広く庶民の間に広まった懐中鏡も同様に大量生産されました。この時代の鏡は一つの原型から作る踏返し鋳造の大量生産品でしたが文様の面では南天・千両・紋所・蓬莱図など、吉祥慶賀文様などと題材が豊かであり、庶民感情に結びついたものが多いのが特徴です。
しかし明治時代に入るとガラスの鏡が普及するにつれて、金属製の鏡は姿を消していきました。
金属鏡に変わるガラス鏡が日本に伝わったのは、天文18(1549)年にスペイン人宣教師フランシスコ・ザビエルが日本に渡来して九州の諸大名に会ったときと言われております。そのうちの一人大内善隆に望遠鏡・時計・鏡などのヨーロッパ製の珍しい道具が贈られたそうです。
つづいて、天正3(1575)年ガラスの製法がオランダ人から長崎に伝えられます。天正10(1582)年には九州の大友・有馬・木村の三領主がローマへ使節を送りガラス工場を見学した際にガラス鏡4枚とガラス器具2個を記念として持ち帰っております。ただしガラス鏡の新しい製造技術はその頃に伝わってはいたのですが原料や生産方法から一般化されることはありませんでした。
古鏡の査定ポイント
ここでは古鏡の査定ポイントをご紹介します。
①保存状態(コンディション)がよいかどうか
これは古鏡に限らず、骨董品や美術品買取全般に当てはまる条件ではありますが、ヒビ割れや欠け、割れなどが入ってしまったものは完品に比べると買取価格は下がります。
古鏡の場合ですと、日本独特の高温多湿な気候によるカビや錆びによる風化や劣化が見受けられます。そういったものの中には文様すら分からなくなってしまったものもあり、保存状態の悪さから大きく査定評価価格が下がる傾向にあります。
②購入時の領収書などは残っているかどうか
これは持ち主が古鏡をどういったルートで入手したものか調べるためのものです。
デパートや百貨店の催事などでご購入されたもの、また有名な骨董店、アンティークショップで高額購入したものであるならば、購入価格を鑑みた買取価格を算出することができます。ただし購入した時期などもあるため当時高額だったから現在でも高額買取可能というわけではありません。
古鏡の場合、もともとが社寺堂塔の荘厳具であり祭祀用具であったことが多かったことから盗品の場合も考えられるため、より詳しい入手経緯が求められることもありますので注意してください。
③古鏡買取りに詳しい買取業者であるかどうか
古鏡買取りに限りませんが骨董品や美術品の買取りには専門的な知識が必要となります。
そのため古鏡買取を得意とする買取業者とそうではない買取業者に分かれます。
また一般的な大手リサイクル店では骨董的価値のある作品を見分けるのは難しいため避けた方がいいでしょう。
まずは持ち主のニーズに応じた買取業者の選択をお勧め致します。
- 古鏡とは日本に古来から伝わる鏡の総称です。中国大陸から弥生時代前期(約2,200年前)に鏡が伝来し、祭祀や魔除けなどの儀式用に、また有力豪族の権力の象徴として珍重されます。古墳時代の模倣を経て平安時代には貴族文化の盛隆と共位に日本風の鏡が生産される様になりました。
古鏡の買取査定で気を付けるポイントとしては①保存状態・コンディションが良いかどうか②作品購入時のデパートや百貨店、有名美術店、アンティークショップなどでの購入価格がわかる領収書は残っているかどうか(盗品ではないか)③買取査定を依頼する買取業者が古鏡に詳しい業者かどうか、などが挙げられます。
場合によっては買取業者何社かに買取査定依頼を出して問い合わせてみるのもよいかと思います。
最近では電話はもちろんLINEなどを用いた画像を添付するだけの簡易査定を行う業者がほとんどですので一度ご利用されてみて、ご不安でしたら相見積りをとられてはいかがでしょうか。
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