古布・骨董コラム
2020.07.30
古布・骨董コラム
着物・古布

【古布・自然布買取】麻布・自然布のマル得売却方法!

 

 

自然布…布に慣れている方でない限り、あまり聞き馴染みのない言葉かもしれません

 

自然布とは草の茎の皮や樹木の皮から採った靭皮(じんぴ)繊維を使用した布のことです。

靭皮(じんぴ)繊維とは麻系茎幹の繊維の総称で主に大麻・亜麻・黄麻・藤・葛・苧麻・科、また芭蕉やマニラ麻の葉などがあります。

いわば自然布とは山野に自生する草や木の皮から糸を紡ぎ布を織り出す、古人から受け継いできた知恵の結晶です。

自然布の作り手は木綿の流通とともに急速に減少していきます。硬い靭皮を糸にする労力は並大抵のことではありません。そのため生産量の関係から自然布は大変高価な布として知られております。

 

しかしも仮に自然布をお身内の方から譲られても、その価値をあまりご存知なく古布回収業者などに安価で売却されてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

なにかはわからないけど手触りの違う布がある、ゴワゴワした感触の古い布がある、などと思われましたら要注意です。

 

そこで今回は自然布とは何か、どう売却したらよいのか、種類などを分かりやすく説明していきたいと思います。

 

 

自然布の種類

自然布とは上記させていただきました通り、草の茎の皮や、木の皮から採った靱皮(じんぴ)繊維を用いた布のことを指します。自然布は草木布とも原始布とも呼ばれております。

麻も日本の自然布に含めますと科布(しなふ)・藤布・葛布(くずふ)・楮布(こうぞふ)・太布・紙布・芭蕉布などが挙げられます。

 

 

・麻布:麻とは植物表皮の内側にある柔繊維または、葉茎などから採取される繊維の総称になります。そして日本において馴染みがある麻は大麻と苧麻になります。

 

大麻はアサ科の一年草で、原産地は中央アジアから西アジア、西北ヒマラヤとされております。日本へは縄文時代ごろには伝来していたと考えられております。

そして大麻は天皇の政(まつり)や神事に用いられた古来日本の神聖な糸となります。

『日本書紀』には苧麻栽培を推奨した記述が残されていることや『万葉集』には「庭に立つ 麻手刈り干し布さらす 東女を忘れたまふな」という和歌もあり奈良時代には大麻などが栽培されていたことがわかってきました。

 

このことからもわかるように大麻はシャーマニズム的な呪術的要素で使用された一方で平民の普段着や野良着、籠などの日常雑器から武士階級の衣裳など日常的用途で用いられておりました。

 

しかしそれも化学繊維の台頭や需要の減少、栽培者の高齢化、そして戦後GHQの指導下になり大麻の栽培自体が禁止されてしまい大麻栽培の担い手は数えるほどとなってしまいました。

大麻による麻布で有名なものが対馬麻ですが現在では全く生産されておらず現存するものは戦前に生産されたものがほとんどではないでしょうか。 

 

麻の中でも上級品は上布と呼ばれております。近江上布・奈良晒・越後上布・宮古上布などが有名です。

 

 

・科布(榀布・しなふ):東北地方以北に自生するシナノキの繊維を布地にしたものになります。木綿が大変貴重だった時代、水に耐性があることから日常着や野良着に利用されましたが時代の流れと共に着られることが少なくなり、今では山形県と新潟県の一部で生産されるのみとなり高級帯やカバン、帽子などが作られております。

 

織り目は植物繊維とすぐわかる野性味たっぷりの粗さ、色もタンニンを多く含むため染めずして柿渋のような茶褐色・赤褐色と、味わいのある風味をもつ独特な布です。

 

 

・葛布(くずふ):葛布は葛の繊維を紡いだ糸から作られる織物になります。日本では古墳時代前期に九州大宰府の古墳から出土した鏡に葛布が付着しており、それが日本最古の葛布とされております。

 

葛の蔓を煮て水に晒し発酵させたのちに繊維を取りだし、これを績んで葛糸にします。緯糸・経糸ともに屑糸が用いられたものの他に経糸に絹や木綿を用いたものもあります。

古代日本においては庶民の被服や上流階級の喪服などの材料とされておりました。

中でも江戸時代初期のころから静岡県西部の掛川市を中心に葛布が盛んに生産され、当時の百科事典である和漢三才図会にも「葛布は遠州懸川より出ず」と書かれているほどです。

 

現在では襖張りや壁張り、表装や装本用の布などで用いられたり、簾やシェードなどのインテリア、そして帯地やハンドバッグなどの民芸品などにも用いられております。

 

 

・楮布(こうぞふ)楮は桑科の植物で和紙の材料にも使われ、江戸時代には提灯・行灯・扇子・団扇・紙衣・足袋・合羽・凧・郷土玩具・襖・屏風など生活に溶け込んだ繊維のひとつとして知られております。

楮の皮の繊維は麻に次いで長く繊維が絡み合う性質が強いため丈夫な和紙の生産に適しているとされております。

 

 

・紙布(しふ):紙布は紙糸を材料として織り上げた布になります。細かく分類しますと紙糸を縦糸、横糸の両方に使用した物を諸紙布、縦糸に絹・綿・麻糸を使い、横糸に紙糸を使用した物を絹紙布・綿紙布・麻紙布とに分けられます。

紙そのものを用いて作られた紙衣(かみこ)とは異なり軽くて肌触りが良く、特に女性の夏の衣料用として使用されました。 

 

紙布は江戸時代より宮城県白石市周辺で生産されたと記されております。仙台藩白石城主・片倉家の奨励のもと技術改良が進み江戸時代中期には幕府に特産品として献上されるようになりました。

織り方も平織りだけだったのがシボの入った縮緬織りや地紋のはいったものまで織られるようになり京都の公家たちへの進物品ともなりました。

 

 

・芭蕉布:芭蕉布とは芭蕉の繊維から採った糸を用いて織られた布で、沖縄・奄美群島の工芸品になります。

繊維が麻よりも固く、張りがあり風通しもよく高温多湿な風土によく合った夏の着物に用いられておりました。この他にも蚊帳や座布団などにも愛用され沖縄地方を代表する布地と言えましょう。

 

芭蕉布は縞芭蕉や絣芭蕉などが一般的ですが琉球藍によって染められたものもありました。特に士族男性の礼服は藍染の芭蕉布で織られた「黒朝衣(クロチョーギン)」と呼ばれており、いわば流装の象徴的芭蕉布になります。

 

民芸運動の開祖のひとりである柳宗悦により「用の美」が見出された芭蕉布は単なる伝統工芸品ではなく民藝としての価値が高くなりました。しかし第二次世界大戦後、アメリカの占領下になると芭蕉布の原料イトバショウが蚊の繁殖を原因とされ伐採されると芭蕉布は産業として途絶えようとしていました。

 

その後芭蕉布の復興は平良敏子の尽力によって果たされます。1974年に喜如嘉の芭蕉布は国の重要無形文化財に認定され、2000年には平良敏子も重要無形文化財「芭蕉布」保持者として認定されます。  

 

 

自然布は高額買買取のチャンス!

上記のように一言で自然布と申し上げても種類が多いことが分かります。

独特の風合いを持ち、絹や木綿とは違った魅力のある自然布は日本を代表する伝統工芸品でもあります。

作り上げるまでに大変な手間がかかり大量生産ができないことが高額取引になる最大の要因です。

自然布は反物だけでなく着物の帯や鞄などの和小物にも用いられております。

 

希少性の高さから高額買取となる可能性がある自然布ですが、見た目の地味さや現在の生活スタイルからはなかなか価値のありそうな布に見えないかもしれません。そのため着物などの買取を依頼した大手リサイクルショップや芸能人を広告に起用した着物リサイクル店などに安価で買取されてしまう可能性もございます。

自然布は高額査定のチャンスだからこそ、きちんと自然布に対する知識の豊富な買取業者を選択する必要があります。

 

インターネットの普及により「自然布 買取」や「科布 処分」などで検索しますと数多くの買取業者がヒットするかと思います。その中から一体どの買取業者がご自身に合うか、見つけるのはなかなか骨が折れる作業となるかもしれません。

 

ポイントとしましては、まず買取実績などを見て実際に自然布の買取をしているかどうか見定めることです。

また今では画像添付するだけのライン簡易査定などweb査定を充実させている業者もおりますので、気になった買取業者に画像を送り見積もりを取るとよいでしょう。

ご不安でしたら一社だけでなく複数の買取業者に見積もりを出し見比べるのもよいかもしれません。

 

 

まとめ

自然布には麻布や科布(しなふ)・藤布・葛布(くずふ)・楮布(こうぞふ)・太布・紙布・芭蕉布などの種類があり、日本古来より伝統的手法で作られている工芸品になります。

手間と時間がかかるため大量生産に向かず、希少性の高いものがほとんどです。

そのため自然布の中には高額で取引だれるものも少なくありません。

 

適正な価格で査定を受けるには自然布に詳しい買取業者の選択が必要になります。

場合によっては何社かに問い合わせてみるのもよいかと思います。 

 

昨今では電話はもちろんLINEなどを用いた画像を添付するだけの簡易査定を行う業者がほとんどですのでご利用されてみてはいかがでしょうか。 
 
 
 
 

店舗 骨董茶道具古布はぎれアンティーク着物販売・買取/各種教室/呂芸

電話 03-3398-2144

住所 東京都杉並区荻窪5-16-15 井上ビル2F

営業時間 11時~17時00分

 

買取に関する電話 0120-410-314  

受付時間 9時~20時(営業時間と買取に関する電話受付時間は異なりますのでお気を付けください)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関連タグ

人気、遺品整理、遺品買取売却、相場、リサイクル襤褸、BORO、らんる、ボロランキング、古布コラム人気、コラム、ランキングアンティーク着物、昔キモノ、昔着物骨董品買取り、骨董買取り、骨董コラム

この記事を書いた人

東京美術倶楽部 桃李会
集芳会 桃椀会 所属

丹下 健(Tange Ken)

丹下 健(Tange Ken)

創業40年の経験と知識、そして独自のネットワークなどを活かして、
お客様の大切なお品物を確かな鑑定眼で査定させていただきます。

作品の背景や、現在の価値なども含めて、丁寧にご説明し、
ご納得いただけるような買取金額を提示させていただいております。

Area

関東一円を中心に、全国無料で出張買取いたします。

関東の方はすぐにお伺い致します。

  • 北海道
  • 東北
  • 関東
  • 北陸中部
  • 近畿
  • 中国
  • 四国
  • 九州沖縄

東京都

千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、大田区、目黒区、世田谷区、杉並区、中野区、豊島区、北区、荒川区、江戸川区、葛飾区、足立区、板橋区、練馬区、武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市、西東京市、綾瀬市、東久留米市、小平市、小金井市、府中市、稲城市、町田市、多摩市、日野市、国立市、国分寺市、東村山市、東大和市、立川市、福生市、昭島市、武蔵村山市、八王子市、あきる野市、羽村市、青梅市、瑞穂町、日の出町、奥多摩町、檜原村

神奈川県

横浜市、鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区 、港南区 、保土ケ谷区、 旭区、 磯子区 、金沢区 、港北区 、緑区 、青葉区 、都筑区 、戸塚区 、栄区 、泉区、 瀬谷区、川崎市 、川崎区 、幸区 、中原区 、高津区 、宮前区 、多摩区 、麻生区、横須賀市 、鎌倉市 、逗子市 、三浦市 、葉山町、相模原市 、厚木市 、 大和市 、海老名市 、座間市 、綾瀬市 、愛川町 、清川村、平塚市 、藤沢市、 茅ヶ崎市 、秦野市 、伊勢原市 、寒川町 、大磯町 、二宮町、南足柄市 、中井町 、大井町 、松田町 、山北町 、開成町、小田原市 、箱根町 、真鶴町 、 湯河原町

埼玉県

西区、北区、大宮区、見沼区、中央区、桜区、浦和区、南区、緑区、岩槻区 川口市、蕨市、戸田市、鳩ヶ谷市、 鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市、伊奈町、 朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三芳町、 所沢市、飯能市、狭山市、入間市、日高市、 川越市、坂戸市、鶴ヶ島市、毛呂山町、越生町、 東松山市、滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉見町、鳩山町、ときがわ町、東秩父村、 秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、 熊谷市、深谷市、寄居町、 本庄市、美里町、神川町、上里町

千葉県

千葉市(中央区、花見川区、稲毛区、若葉区、緑区、美浜区)、 川口市、銚子市、市川市、船橋市、館山市、木更津市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市、東金市、旭市、習志野市、柏市、勝浦市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鴨川市、鎌ケ谷市、君津市、富津市、浦安市、四街道市、袖ケ浦市、八街市、印西市、白井市、富里市、南房総市、匝瑳市、香取市、山武市、いすみ市、酒々井町、栄町、 神崎町、多古町、東庄町、大網白里町、九十九里町、芝山町、横芝光町、白子町、長柄町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町

栃木県

宇都宮市、足利市、栃木市、佐野市、鹿沼市、日光市、小山市、真岡市、大田原市、矢板市、那須塩原市、さくら市、那須烏山市、下野市上三川町、 西方町益子町、茂木町、市貝町、芳賀町、 壬生町、野木町、岩舟町塩谷町、高根沢町那須町、那珂川町

群馬県

前橋市、高崎市、桐生市、伊勢崎市、太田市、沼田市、館林市、渋川市、藤岡市、富岡市、安中市、みどり市、榛東村、吉岡町、上野村、神流町、下仁田町、南牧村、甘楽町、中之条町、東吾妻町、長野原町、嬬恋村、草津町、高山村、片品村、川場村、昭和村、みなかみ町、玉村町、板倉町、明和町、千代田町、大泉町、邑楽町

茨城県

日立市、ひたちなか市、常陸太田市、高萩市、北茨木市、常陸大宮市、那珂市、那珂郡東海村、久慈郡大子町、水戸市、笠間市、小美玉市、東茨城郡茨城町・大洗町・城里町 鹿島市、潮来市、神栖市、鉾田市、行方市、つくば市、土浦市、取手市、牛久市、龍ケ崎市、石岡市、守谷市、稲敷市、かすみがうら市、つくばみらい市、稲敷郡阿見長・河内町・美浦村、北相馬郡利根町、 古河市、筑西市、常総市、坂東市、結城市、桜川市、下妻市、結城郡八千代町、猿島郡五霞町・境町