外国切手や中国切手の売り時は今がピークと言われております。
中国経済に後押しされる形で中国切手が高額で取引されるケースが続いておりますが、それもいつまで続くか不透明です。
ご自宅に使わない外国切手や中国切手をお持ちの方から「外国の切手なんだけど売れるんですか?「中国切手の価値を知りたい」などのお問い合わせも増えております。
そこで今回は「外国切手を売る際に抑えておきたいポイント」とご案内したいと思います。
人気のある外国切手やその種類、そして査定や買取相場など説明していきます。
外国切手、中国切手のご売却を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
中国切手
外国切手のうち最も高額取引されているのが中国切手です。中国切手のひとつ「全国の山河は赤一色」シリーズは縦長と横長とございますが海外オークションにて縦長が当時のレートで約4300万円、横長が9000万円という大変な額で落札され話題となりました。
中国には文化財を排除すべきものとして廃棄された文化大革命という時代があります。
1966年から1976年のおよそ10年間で中国国内の文化財は壊滅的な打撃を受けます。
中国切手もその例外ではありません。切手収集は欧米資本主義文化の象徴として排除すべきと考えられ、中国国内のコレクターが蒐集していた中国切手の多くは焼却処分されます。
しかし一部は難を逃れ日本など海外コレクターの手に渡ります。
この時代の切手を文革切手と呼び、中国経済の発展と共に中国の富裕層が買い戻すようになると投機目的で価格が高騰しました。
「赤猿」や「毛沢東切手」が文革切手の代表格です。
赤猿切手は文字通り猿の絵が赤地を背景に描かれた切手になります。
発行は1980年、中国初の年賀切手として販売されます。まだ文化大革命の混乱が続いている時代で勿論切手の蒐集も禁止されておりました。
海外へ切手を販売することも禁止されておりましたので、現在流通している切手は当時の旅行者などが持ち帰ったものがほとんどでしょう。発行枚数も少なかったためプレミア切手として現在でも高額で取引されております。
高額取引される分、レプリカや贋作が大変多く出回っている切手でもあります。
北朝鮮製のレプリカなどはネットオークションやフリマサイトにて数百円から購入することも可能です。
本物は1枚で10万円前後する可能性があり、到底手が出せずレプリカで手軽に楽しみたいというニーズから生まれました。しかし中にはレプリカを本物として販売する者も出るようになり非常に気を付ける必要があります。
赤猿の鑑定にはいくつかのポイントがあります。
目打ちや猿の描写に金を使用いているか、地の赤インクの種類、文字の自字体などがあり赤猿に精通した切手業者であれば判別できると思います。
毛沢東切手も代表的なプレミア切手のひとつです。
1967年に「毛主席の長寿を祝う」切手、全11種が発行されます。1枚のみに毛沢東のイラストが描かれ、残り10種には毛沢東語録より抜粋された文章が印刷されております。世界的にも珍しいデザインで全11種類セットで数十万円の査定がされるケースもありました。
「毛沢東の最新指示」切手は1968年に発行されます。全5種類、それぞれに毛沢東の社会主義に対する理想と想い、大衆を幸福へと導く指導者の姿、そして不正は許さないというメッセージで構成されております。
5種類の切手がセットになっている連刷の「毛主席の最新指示」切手であれば、数十万円ほどの買取価格になるケースもございます。
「毛沢東の長寿を称える」切手は1967年5月に5種類、同年9月に3種類と2回に分けて発行されました。
第1次では「毛主席を讃える」「毛主席の詩」「毛主席と紅衛兵(こうえいへい)」「毛主席と人々」「紅衛兵を閲見(えっけん)」の図案で構成され、第2次では「毛主席と林彪(りんぴょう)」の図案で2種類、「毛沢東」のみが載った図案が1種類で構成されております。
紅衛兵と林彪というデザインがまさに中国共産党、文化大革命の象徴とでも言うべき切手ですね。
8種類の全てが現存する枚数が少なく希少性が高いため、1枚でも査定に出せば高価買取となる可能性があります。中でも「毛主席と林彪」の切手はコレクターに人気があり、単体でも1万円前後の査定額になるかもしれません。
「毛沢東は赤い太陽」切手は1967年に全2種類で発行されました。ひとつが「毛主席と人民」、もうひとつが「毛主席と語録と人民」と呼ばれております。
「毛主席は赤い太陽」切手は2種類の図案しか発行されていないため2枚セットの査定でも、他の毛沢東切手よりはプレミア価値が付くことは難しいです。
この他にも文革切手には1964年発行「牡丹切手」や1968年発行「全国の山河は赤一色切手」など高額買取が見込めるプレミア切手が多く存在します。文革切手は1枚でも数万円の査定がされる種類もありますのでもしお持ちでしたら保存状態などご確認下さい。
ヨーロッパ切手は世界で最初に発行された切手、「ペニーブラック」がプレミア切手として有名です。
ペニーという単位からイギリスの切手とわかります。1840年にイギリス郵政省から発行されます。
ペニーブラックは1ペニー切手、その後発行された2ペンス切手を2ペンスブルーと呼びます。
ペニーブラックは第1版から11版まで、そして第1版は2種類あり、全部で12種類存在します。中でもプレミア的価値が高いのが第11版になります。
フランス切手ですと1954年発行の「1次航空機シリーズ切手」がマイナーながら価値の高いプレミア切手となります。
全4種類の航空機がデザインされ、フランス初のジェット戦闘機や貨物輸送機などが描かれているのが特徴です。
アメリカ切手
アメリカ切手はアメリカで発行された切手全般の総称です。アメリカには切手コレクターも多く比較的入手しやすい切手となりますが中には大変希少性の高い切手もあり高額査定が期待できるものもございますので紹介したいと思います。
カーチス・ジェニー切手は1918年アメリカで最初に発行された航空切手です。
当時最新鋭のカーチス・ジェニーが描かれ人気を博しました。
カーチス・ジェニーの航空切手は発行年の古さもあり希少性が高いのですが、その中でエラー切手の「逆さまジェニー」は希少性の高さと知名度を誇り、世界で最も高額なプレミア切手といっても過言ではありません。
逆さまジェニーは100面シート1枚のみのエラー切手です。用紙が1枚だけ向きが逆に設置されていたため飛行機が逆さまに印刷されるという事態が起こりました。
2014年にイギリス中部ウォリックで行われたオークションでは1枚で約2600万円という高額落札となりました。
あまりに有名なプレミア切手でもある逆さまジェニー切手は2013年に額面2ドルで復刻版が販売されます。
本物の逆さまジェニーは額面24セントになりますので見分けも容易です。
この他にも1930年発行のツェッペリン切手(全3種類)などは現在でもコンディションにもよりますが1万円以上の買取となる可能性も大いにございます。
外国切手の売却を検討中であれば、お持ちの切手がどの国のどんな切手であるか、またその買取相場はいくらくらいなのかをあらかじめ調べておくと査定がスムーズでしょう。
中国切手や外国切手には、エラー切手や現存数が少ないものがあり中にはプレミア価値がついている切手もあります。
切手は糊の状態など本体の保存状態によって買取価格が大きく左右します。
そのため、切手の専門知識が豊富な鑑定士のいる切手専門の買取業者に査定を依頼することをお薦め致します。
現在「外国切手 買取」などでインターネット検索すると複数の切手買取業者がヒットします。
そしてほとんどの業者が電話はもちろんLINEなどを用いた画像を添付するだけの簡易査定を行っております。
もしご不安でしたら複数の切手専門の買取業者で相見積もりをとり、ご自身で納得できる業者に買取を依頼するのが肝要かと思います。
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